社長メッセージ

株主のみなさまへ

平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

太洋物産は自主独立を基本方針として、それぞれの分野における中核商品を持ち、 これら専門商品を取り扱う貿易商社として事業展開しております。 取扱商品は、食品原料である畜産物を主軸に、生活全般をフィールドとした 「衣」「食」「住」関連資材全般に及びます。独自の経営路線に立って、 特定地域や分野で専門商社として最高峰を目指し、最小規模で最大のパフォーマンスを 追求する「強い会社」を実現すべく社業を推進しております。

当社は、第80期事業年度におきましては、新型コロナウイルスの蔓延が、外食産業を主要取引先としていることから、食品関連の事業に多大な影響を受けました。牛肉・加工食品は、需要の落ち込みがダイレクトに販売数量の減少の要因となっており、また鶏肉においても、同様な状況であって、加えて、オリンピック等の来日客増加による、インバウンド需要を見越した仮需の在庫が、オリンピックの延期決定とともに過剰感をもたらし、相場は下落し、取扱数量・売上高とも減少となりました。このような相場低迷により、当事業年度末に鶏肉商品の評価損を49百万円計上いたしました。 農産品では、大豆等で中国などの産地価格が上昇したこともあり、割高感から取扱数量・売上高とも減少しました。車輌・部品等では、当事業年度にエンジンの取引が終了していることもあり、売上高が大きく減少となりました。 特別損失として、当社の関連会社である上海太洋栄光商業有限公司がコロナ禍の影響で業績が悪化したため、関連会社出資金評価損を45百万円計上いたしました。また、将来の経費節減を目的とした本社移転を行ったこと等で19百万円計上いたしました。

この結果、第80期における売上高は148億円、営業損失2億67百万円、経常損失3億23百万円、当期純損失3億91百万円を計上することになり、純資産が前事業年度末より3億96百万円減少し、1億58百万円の債務超過となりました。第81期事業年度では、当社の主要商材である食品関連は外食産業をメインに販売していることから、コロナ禍の影響は続くものと思われ、販売・数量及び売上高を伸ばすことは厳しい状況にあると想定しておりますが、新規販路の拡大、新規商品の開発等、商品の構成力を高め、「量より質」収益力の強化を図ります。また、鶏肉では、相場リスクの低減が必須と認識しており、相場の影響を最小限に留める売買契約に変更することにより、安定的な利益の確保を目指してまいります。 食品関連以外の農産品・化学品・中国向け取引においては、魅力ある商品や企画の提案を通じて販売活動を展開しておりますが、特に中国向けの輸出では、日本製の商品だけでなく、三国間取引も含めて、旺盛な中国の消費に対応してまいります。

以上の状況を踏まえ、当社は次の基本方針のもと、全役職員一丸となって対処する所存です。

利益率の向上と安定的利益の確保

畜産物を中心とした当社基幹事業の中で、多様化する顧客の幅を広げ、一次加工品及び加熱加工品を拡大強化するとともに、当社が得意とする事業分野で、より専門的な商品を取り扱って利益率の向上と安定的利益の確保に努めます。 また、中国やインド等の内需拡大を受け、日本産の商品、並びに三国間取引を通じてニーズの高い商品の提供を行い、新たな商機と利益の創出を目指します。

リスクの分散・回避

相場変動や商品リスクを分散・回避するために、生活者目線で商品を選別し、実需に見合う数量・価格等の取り引きを行いながら商機を逃さず、収益が確保できる仕組みの構築を目指します。

機動的な資金の投入

商品の仕入及び販売の管理コントロールの徹底を図り、資金効率を重視しながら、必要とする部門への機動的な資金の投入ができる体制構築を目指します。

債務超過の解消

純資産が1億58百万円の債務超過であることから、営業利益の確保のみならず、早急に増資体制を整え、想定外に発生しうるリスクに耐える体制とするため、貸借対照表における純資産の債務超過解消することを必須といたします。

以上の方針のもと、以前から掲げてまいりました「シンカ」を改めて提唱し、営業活動に邁進してまいります。

当社におきましての「シンカ」は、物事の意味を深く理解する「深化」、変化する環境に適応し変化を続ける「進化」、 モノの本当の価値を示す「真価」を意味してまいりました。全社員が、今一度その意味を噛み締め、それぞれが関わる 「ヒト・モノ・情報」全てに対する関係性をシンカさせ、その関わりの追求から、モノの品質を高める向上や新たな提 案を生み出し、個々の課題に対して的確に応える能力をシンカさせてまいります。

引き続き業容の拡大と、財務基盤の盤石化を図るとともに、現在の当社の置かれている環境を、絶好のノウハウ吸収 の機会ととらえ、飛躍できる「強い会社」となるよう対処してまいる所存です。

株主のみなさまにおかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。